メルセデスベンツ専門修理工場サカモトエンジニアリング
メルセデスベンツのハブベアリングスペシャルツール
メルセデスベンツのハブベアリング調整のスペシャルツール


メルセデスベンツのハブベアリングのクリアランスを調整するために使用する、
”ダイヤルゲージ”というスペシャルツールの紹介。




まず、一般的に、フロントタイヤのハブベアリングは二種類に分けられる。
FF(前輪駆動)車の場合は、フロントハブを分解してベアリングだけの交換をするのに、
そのもの全てを変えなければいけない「非分解式のタイプ」と、
メルセデスようにFR(後輪駆動)の車においては、
フロントハブのベアリングの分解が出来、分解、修理が可能です。
(一部非分解式もある)


メルセデスベンツのハブベアリングスペシャルツール


場合によって、ベアリングが使用可能であれば、
中のグリスだけを入れ替えて、再使用することも可能です。
そのためにはフロントハブのベアリングは一度分解を行います、
そしてグリスを入れ替えて再度組み付けます。
しかし、取り付けには、メーカーの指定する
調整の為の基準となる許容範囲があります。


つまり「遊び」、ハブのベアリングの”プレロード”だね。


通常ですと、車種にもよりますが
「100分の3ミリから100分の5ミリ」と規定値がありますので、
必ずその範囲に収めなくてはなりません。


そのためには、勘に頼ってハブのベアリングを調整すると、締めすぎてしまうと、
「ハブベアリングが焼きついてしまう」、もしくは
せっかくグリスを入れ替えて、キレイに組み替えたものが、
「また、グリスが焼けてしまう」などというトラブルが発生します。


そのために、”ダイヤルゲージ”という精密な測定器が必要となります。


もちろん一度組み付けて規定値に収めたものでも、しばらく走ることにより、
そのハブのクリアランスは変化し、「初期なじみ」が発生しますので、
規定値から外れてしまうことが、多々あります。


メルセデスベンツのハブベアリングスペシャルツール


そのため弊社では、必ずロードテストを行いクリアランスを再度点検して、
その範囲から越えてる場合は、再度調整して出庫をしています。


FRの車をやってる会社だったら、まあ持ってないと、仕事のならないよね。


ですから、100分の単位のプレロードを勘で調整は絶対不可能です。


ただ、日本車のほとんどが、ハブのベアリングクリアランス、プレロードがゼロなんです。
ヨーロッパ車だけなんですよ、ハブにプレロード、クリアランスを持たせてるのが。


SEGスタッフ:ハブに?


ハブに。


SEGスタッフ:なんでなんだろう?


んーそういうもんだってメーカーに言われてるから、
またゼロが何なの?って聞く必要がないんで、今まで聞いた事はないんだけども、
おそらく、走行状況が違うからだと思うよ。
日本の場合は街乗りがメインで造られてる車。
所がヨーロッパ車は高速で走るのが目的とされてるので
設計と使用上の考えに基づく、発熱だとかさ、そういうのじゃないのかな。
高速走行で例えばカーブを曲がった、その時にハブベアリングに掛かる荷重だとか。


それがいい証拠に、日本製の純正指定されてないハブのグリスを使うと、溶け出しちゃうの。


SEGスタッフ:グリスが?


メルセデスベンツのハブベアリングスペシャルツール


ハブグリスが溶けちゃう、純正のグリスだと溶けない。
溶けもしないし、変色もしない、おそらく劣化はしてないと思うよ


SEGスタッフ:耐えてるんだね。


ところが日本製の純正指定されてないグリスをベンツに使うと、必ず溶けちゃう。
熱で、液化して、溶けて流れ出る。
それだけ高い熱なりストレスを発生するんだと思いますよ、
ハブのベアリングだけじゃないと思うけどね。
要はブレーキも絡んで来るだろうから。


SEGスタッフ:それで100分のいくつでしたっけ?


3から5。


車種によって若干違うけども、もっと多く取ってあるのもあるし
出してあげるのもスタンダードなんだ
メーカーで規定された数値なんで、それは必ず守らなくちゃいけない。
それを出すためには、この工具がないとお話にならない。


100分の1とか2と勘じゃとてもじゃないけれど、分かる範囲じゃない。
例えば、これを勘で締め付けた場合、それで運転しちゃうとどういう不具合がでる?


やっぱり直進製が失われたり、クリアランスが多ければタイヤが振れちゃうから、
直進性が無くなるし、締めすぎてしまえば、場合によってはベアリングが焼き付いちゃう。
焼き付いちゃうとタイヤが付け根から外れちゃうね。折れちゃうから。


だからこういうツールを使って、
きちっとクリアランスの数値をだしてあげることで、安全に快適に乗ることが出来る。


ベアリングなので磨耗だとか初期のあたりだとか、そういうのは変化していくから、
6ヶ月点検、12ヶ月定期点検、24ヶ月定期点検には必ずハブのクリアランスや、
良否判定は行っていかないとダメなんですよ。
そのままでは、2年間もたないですから。


メルセデスベンツのハブベアリングスペシャルツール


でも日本だけだよね、法定、1年点検、車検整備ってのは。
ほとんどの国は距離数で整備なんですよ。
5,000km走ったらどこどこ見て、10,000km走ったらどこどこ見てください。
7,500km単位かな。
なぜか向こうは新車を買いました。
はじめは、1,000km整備、次は7,500km整備。次は15,000km整備
それで、必ずメンテナンスがある


その距離にあった整備をしていく。
当時の本国のメンテナンスルールだよね。
今のメルセデスは知らないよ、新しいのは。


ハブっていうのは人命を乗せて走るクルマの急所だからね。
ブレーキと同様にないがしろには出来ない。


そのためにも、このダイヤルゲージは我々のスペシャルツールのひとつです。


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2012-11-15(C)メルセデスベンツ専門修理工場サカモトエンジニアリング