サカモトエンジニアリング_メカニックという職業


サカモトエンジニアリング_メカニックという職業#1





サカモトエンジニアリング_メカニックという職業




- 長年メルセデスベンツを専門に、メカニックを続けている弊社社長「坂本賢次」に
ちょっと過去を思い出してもらい、整備士とはどのような職業なのかをご紹介します。




ディーラーにいると、通り一遍の仕事しか当時は出来なかったよ。




要するにメーカーからの規制、ディーラーの品質の保証。
その他の制約があるんでそれからはみ出すことは出来ない。
ディーラーとしての品質基準があるんだ。
メーカーからの指示があるから。




マニュアル通り以外の仕事は出来ない
それが、もうちょっと踏み込んでやってあげればお客さんの理想に近づき、
近づくんだけども、それ以上は踏み込めない。やっちゃいけない。




だからメカニックとして、わかっているんだけれどももう一歩踏み込めない、
やってあげたいんだけど出来ない。




サカモトエンジニアリング_メカニックという職業




- そういうのに気がついたのは何歳ぐらい?




それは30過ぎから、何か違和感とか。
もうメカニックを10年くらいやっていると、
だいたいどのメカニックも、自分がその故障を問題としてとらえていれば
なぜそういう故障が多発するのかを考える。




例えば、なぜお客さんがみんなそういう事、
同じことを苦情じゃないけれど、
なぜ、要望として出てくるのか。
要望はあるのに、それ以上踏み込めない。




それで「ベンツはこういうもんですよ」で、済ませちゃうというのが、
上の上のメーカーであり、マニュアル上の整備、
それ以上は踏み込んで出来ないということになるわけ。



サカモトエンジニアリング_メカニックという職業




- 決められた中での整備。




それは30代くらいから違和感として捉えていたんだ。
それに、まだその頃って下っ端だからさ、
中堅とはいえまぁ、何年か居て、
自分が工場長になり、ある程度思うように
工場長の責任としていられる範疇があるわけだ。




- 暗黙で。




そう、多少冒険もして、やってみて。
そうね、そういうのが諸々あって。
あとなんていうのか、なんて言ったらいいのか、
車が悪いって言っちゃ間違いだな。
車の個体の出来、不出来があると思うんですよ。
車両自身のバラつき。




- うん。




そう、その良い方の車にあたった人ってのは、そんなに修理もしない。
乗っていて、ストレスもない。
よいほうのクルマ。




サカモトエンジニアリング_メカニックという職業




ところがいくら同じ基準で造ってるって言ったって、
そりゃやっぱり優劣があるから。
で、よくないほうを引いちゃった人の車は、なんて言うのかな
保障期間の延長も無いわけだよ。




引いちゃったって言ったって、全部横一列並びで、保証をうち切られちゃうんだから。
そうした時に保証がある内はいいやな、
100だろうが0だろうが、車体の品質関係なく保証はしてくれるんだから。




ただ、いざ「保証が切れました。二回目、三回目の車検をやります」
じゃあそん時にどうなのっていう、
ちょっとした、なんて言うかな、一連のトラブルってある訳だよ。




この年式のこの車種はウィークポイントだよ、
だからオレが工場長の時は、
結構そういうのは事前にやっちゃってた訳よ。保証期間内にね。




一台二台の故障っていうのは
たまたまの発生したトラブル故障であり
ウィークポイントっていうのは、それが三台四台になると
それはもう、ほかの車も必ず出るであろうという判断をする訳。




サカモトエンジニアリング_メカニックという職業




その車、その年式、その車種が入庫してきた時は
保障期間中であれば、良くても悪くてもやってあげちゃう。
対策部品に変えてあげちゃう。
ところがメーカーは故障が発生しない限り、部品の交換って認めないんですよ。
故障が発生しない限り。




会社としてはそうしたい、
ところが保証期間が一日過ぎました、故障が起きました、もう有償になっちゃう訳だよ。
そこが運命の分かれ道。天国行くか地獄行くか。




サカモトエンジニアリング_メカニックという職業#2へ
 
 サカモトエンジニアリング_メカニックという職業#1中堅の違和感
2012-08-02-TUE
 
   
   
   
 
  サカモトエンジニアリング_メカニックという職業でメールする サカモトエンジニアリングホームへ