※2013年におうかがいした話です。

-第4回 触らない時間-
ちなみにサカモトエンジニアリングでも最近施工してもらっている
「ガラスコーティング」ってガラスなんですか?
初心者の質問で恐縮です。
いえ、ガラス(硝子)ではないです。
ガラス構造の分子構造を持った溶剤を塗っています。
ですので、塗ったからといって この上にガラス(硝子)が出来たというわけではないです。
そこをたぶん皆さん凄く勘違いされているんですよね。
ボディー廻りが窓ガラスみたいな材質で覆われて、 割れるなり、
すり減るなりするまで持続守られるみたいなイメージではないんですね。
残念ながらおっしゃるとおりというわけではないです。(笑)

逆に、もしそれがそれだけ硬いものになったら、 車は捻じれてしなるものなのでヒビ割れます。
昔あった「カーマニキュア」っていうものがそういうものなんですよ。

カーマニキュアは、塗ると澄んだような透明感は出るんですけど、
そのうち太陽の光とか、車体のしなりで劣化してパリパリになっちゃう。
それが昔のマニキュアの悪い所でしたね。

今のテクノロジーはそこからどんどん進んでいって、
昔ほど、そんなにコーティング剤をボディーに 厚くのせる必要はなくなったんですよ。

ガラスコーティングも、ペルマガードも基本は同じ。
コーティング剤を塗って、任意のレベルに達したら 拭きあげます。

結局、のせたものを、拭きあげていっちゃうわけですから、
塗装のデコボコの中にコーティング剤がいるだけなんで。
それは、フロントガラスなどにやる撥水のやつと同じ考えですか?
まあそうですね。
フロントガラスなどの方が面がフラットで、 染み込む要素がフロントガラスなど
硝子の場合はないので、 フロントガラスの撥水コーティングを基準とした場合は、
あれよりもまだのっています。

ボディー塗装のほうは染みる要素がありまして、 塗装にシミが出来ちゃうじゃないですか。
ということは、ボディーは染みる要素をそれだけ持っているんですよ。
その染みる要素のところにコーティング剤を根を付けさせて、 流れないようにしてあげる。

「隙間に入って固まる。」みたいな感じですね。
だから落ちにくいんですよね。

シリコンとかワックスとかの違いは何かって言ったら、
そのでこぼこの中に油がのっているだけです。
だから何回も擦っていけば落ちちゃいます。
だから持ちが短いっていうのはそういう所ですね。
じゃあそのガラスコーティングなりペルマガードなりはその中の溶剤に
どういう成分が含まれているかによって住み分けがかわっていくんですね。
そうですね。
使っているものが シラン、ポリシラザンとかいう溶剤いろいろがあるんですよね。

シランとかポリシラザンはガラス系と呼ばれるものなので、
ガラスコーティングにしか使い道はないです。
ちなみにペルマガードはガラス系ではないです。

溶剤の話は、奥が深いので別のときにお話ししましょう。

例えば洗車するときに、スポンジって使っているじゃないですか。
僕らなんかも、ペルマガードで使ったスポンジやフッ素コーティングを使ったスポンジを洗います。

フッ素コーティングで使用したスポンジとペルマガードで使用したスポンジを比較すると、
ペルマガードは落ちにくいです。

それだけ強いっていうことですね。
固まってしまえばちゃんとそこに残っていてくれる。

例えば、このスポンジ。
これは、ペルマでも何でもないんですけど、 もともとは、
みなさんがよく知っている普通のスポンジなんですよ。
このようにカチカチじゃないですか。

ボディーに溶剤を塗った状態で任意の時間置いておくと、 こういった感じに、硬化していきます。

塗ったまんま、塗りむらがあるまま固めてしまうと、 取れなくなってしまうので拭き上げちゃいます。
拭き上げて、硬化待ち?
そうですね、均一にした状態での硬化待ちです。
とはいえ、硬化させている間にも別の事をやっています。
コーティングの部分だけでいうと、カチカチになるまで待つんですね。
そうです。
だからペルマガードも最低24時間の乾燥を必要としています。
ガラス系の溶剤も基本的に24時間程度は必要です。
「水に濡らさないで下さい。」というのが普通です。

僕もペルマガードもらうと最短でも最低一泊はもらいます。

それから次の行程で磨く作業もあるので、 コーティングを塗ってから24時間という話なので、
結局どんなに早くても最低3日間ぐらい貰っちゃうことになるんですよね。
もちろん、1台だけの入庫でそれだけに集中してやっての話です。

ただ今は1人なので絶対時間がかかっちゃいますけど、
昔は3~4人でやっていたので終わっちゃうんですけど、預かっていましたから。
寝かせる時間があるんですね。
そうです、寝かせる時間です。
実質触っていないですね。
変な話、超特急の3日間時間をもらったとしても2日使って 丸1日は乾燥させています。

触らない時間は、我々にとって大事な時間です。

≪次回へ続く≫

2013.12.5更新