サカモトエンジニアリング_メカニックという職業







3、また戻ってくる

 

 

ぺーぺーの頃はさあ、この商売一回諦めたしね、

ディーラーに行く前に。

国産車のディーラーに居て一回辞めたんだよ、

もう車社会辞めようと。

 

 

なんせ昔だから、すごい封建的な世界なんでさ、

人が絶するほどの封建的なんだよ、修理屋ってのは。

特に神…産は。

だからその話聞いたら、

メカニックなんかやりたくないと思うよ。

 

 

もろ徒弟制度だし、

そんで、給料は最高に安い!

 

 

車屋ってのは最高に安かったんですよ。

で、こんなもんやってらんねっというんで辞めて、色んな商売やって。

で、結局は車屋またやりたいってね。

一度この足に踏み込んだ人間ってのはダメなんですよ、

なぜか帰って来るね。

 



なぜかというとある程度作業の段取りだとか決められてるんだけども

ある程度して一日のスケジュールを自分で決められるんですよ、

すぐって訳じゃないけど二割三割は自分が思った時間で動ける。

 

 

例えばここまで終わらせたら、

じゃあちょっと伝票整理しよう、休憩しようとか。

それが会社だと例えば12時なら12時、15時なら15時で

決めた時間で食事をする、休憩をする全員がそうじゃない。

 

 

ところが修理屋ってのは、ある程度自分がコントロール出来る。

例えば1215分までやればここで一区切り付くというところまでやっちゃうんですよ。

 

 

自分である程度自分を管理することが出来る、

仕事を管理するというか組み立てられる面白さ。

そういうのがあってまた戻ってくるよね。

時間とあとだんだん少しずつ車がよくなっていく直っていく、その喜びもあるし。

 

 

一つ一つがプラモデルみたいなもんだよ。

年中プラモデル組み立てる。分解しちゃ組み立て。

その中で故障してる場所を探す探し当てる。

 

 

― 面白いんだ?

 

 

面白いよな、それがある程度仕事の内容が

分かるようになってこないと面白みが解らない、

ただ言われるがままだから。

 

 

組み立てるとか云々の前に

「ここまでバラしておけよ、ここまでバラしたら言いにこいよ」

「次、じゃあここをバラせ。終わったらいってこいよ」の繰り返し。

そこで自分が何の仕事をしてるのか、

今何をしてるとか、何をしなくちゃいけないのかというのを理解していないと

ちっとも面白くない。

 

 


それはだから先輩次第な。

なぜそれが必要あるのか、必要性を教えてくれる先輩はいい先輩だよ。

早く吸収していくから楽しくさせるのも、面白くなさせるのも先輩次第。

それとあと、自分の取り組み方。

仕事に対するそれを自分の商いとして、サラリーマンでもそれを

自分の仕事としてやっていくもんなのか、

シンプルにサラリーマンでやっていくのか。そこが大きな分かれ道だな。

 














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2012-08-02-TUE
 
   
   
   
 
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