サカモトエンジニアリング_メカニックという職業






7.モチベーション




何時までにおわらなくちゃいけない。
仕事が5分、10分、15分と気が乗らなくなってくるから伸びちゃう。
そしたらやっぱり、完成度が落ちてくるのと一緒だからつまらない。
そういう仕事の面白さね。




後は、預かったら一両日中に原因だけは先にみてあげる。
原因だけは先にみてあげる。




通常だと、デリバリーの件数が決まっているから、
10台入りました、11台目に入ってきたのは、もうその日は見ない。
順番で、おしりに回るんだ。




ところが仕事を依頼した側としてみれば、
先に原因だけ診て欲しいわけ。
で、入庫したあとの出庫の予定は、整備の状況にもよるけど、
故障の原因はここなんだと、ところが部品の手配がここまでになります、
今仕事がちょっと入っているので、作業はその後になりますよ、
費用はおおよそいくらくらいですよと、きちんと流れを伝えれば、
正当な時間がもらえるんだよ。




― そうだよね、その待っている間に乗りたければ、
動けば一回乗って帰ってもいいんだもんね。




ところがよ、お客様が車使いたいので、10日後に出庫します。
って勝手に案内しといて、
9日目にようやく順番が来て車両に手が付いて、
原因見てこことここが悪いからあと1週間待ってくれとは言えない訳だよ。
じゃあ、その前の1週間、10日間なにしてたんだよってなる。




モチベーションだよね。要は工場長の、工場長のモチベーション。




― そうなの?




そりゃそうさ、さっきのあれじゃないけど、なんとも思わない人もいるし、
スタッフの裁量、そこの工場長の裁量による。




― じゃ、そこの工場を生かすも殺すも工場長。




もちろん×6
工場長がそこの工場内の全責任をもってるからね。
工場長にもランクがあって、工場長なのかフォアマンなのかと。
工場長は、自分の工場に責任を持ってる。




例えば一つのエリアの中に4営業所あるとするじゃん、
フォアマンは、その4営業所全ての責任を持たなきゃいけない。
責任を持たなきゃいけないというか、
ある程度面倒みていかなくちゃいけない。




毎回、全国のフォアマン会議みたいなのがあって、
各地区の故障とかトラブルとか、そういう話し合いをする。
こういうことがあってこうやったら直ったと、原因はこれだったとかの
データからなにから、全部出す訳だよ。
そういうのを各フォアマンに情報提供するのが各工場の工場長だ。




後、教育訓連。




― ああ、じゃあフォアマンは、ちょっと組織の中の人になっちゃってるんだね、




フォアマンってのは
マネージャーいや工場の課長と同等もしくは、それ以上の権限持ってるんだよ。
だからフロントにも文句いうし、苦情もいうし、提案も出来るしね。
俺なんか最初は工場長だったわけじゃん、それから次行って工場長やって
フォアマンにならざるを得なくなっちゃったわけ。
「お前フォアマンやれ」と。




工場長も楽しかったし責任もあって、フォアマンはフォアマンで
またそれはそれで、内容も大変だけど面白みもある。
いろんな各工場に出入りできるんだから。




― なるほどね、いよいよ垣根を越えていくわけですね。




「お前んとこ何やってんだよ、ちょっと聞いたぞ。
こないだの仕事お前何だったんだよ、原因も分からないで出しちゃったのかよ、
ふざけんじゃねーよ」って言ってさ、
その時の伝票と担当のメカニック呼んで来いって言って、
自分とこの工場長が、こうでこうでこうやってんですけどって言うと、
じゃあちょっと工場長呼んで来いと、
「お前何でそういうやり方したんだよ」と、「その根拠は何だ」と、言える訳だよ。
そんで最後にサービスの課長のとこ行って、お前んとこ教育が悪いよ、
責任もっと持たせろ、勉強させろと言う訳。




ディーラーでは、月に一回はミーティングやるんですよ、
技術ミーティングとサービスミーティング。
議題はそん時の技術的なこともあるし、工場の中で今、トラブってること、
問題だとか、そういうのも全部全員でやって討議して共有するのね。
そんで全員が同じ気持ちで気持ちよく仕事出来る。
うまくいくようにさせていくのがフォアマンの仕事だから、
そんでアドバイザーの仕事の受けかたも教育もしなくちゃいけない。
でフォアマンになったんだ。




つづきます。   
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2012-08-02-TUE
 
   
   
   
 
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